株式会社オレンジライフ代表取締役社長兼CEO上野山栄作のエッセー多事想論

2015/11 オレンジ通信 第77号いのちのバトン

大切な2人の女性が亡くなりました。一人は父の妹です。叔母はガンで十数年闘病生活を続けた夫を2年半前に送りました。その間は夫を助け、みかん畑を守り、身を粉にして献身的に看病や仕事をしていました。夫の看取りを終えて、少しは楽をして欲しいと考えていた矢先、夫の死から半年で自分も肺癌が発覚し、みるみる衰え73年の人生に幕を引きました。最期は家族・親族の見守る中で息を引き取りました。もう一人は当社で働いてくれていたパートさんです。法事や葬儀のサービスでいつも気品のある笑顔で接客してくれていました。夜中に、くも膜下出血で急に亡くなられました。どちらもとても悲しい出来事でした。
私は葬儀のプロとして常に心がけていることは「亡くなった方を尊重しよう」そして「その方が生きてきた意義について深く考え、本人や遺族に伝わるお別れをしたい」と。今回、叔母の最期の時、病院のベッドで家族・親族は叔母と感謝の気持ちを伝え合うことが出来たことは、本人にとっても、家族にとっても、そして私にとっても、悲しい中ですが嬉しい瞬間であったはずです。その時は「おばちゃんはほんまに幸せやったね。息子や嫁や娘、孫やひ孫まで、おばちゃんが頑張ったからこんないい家族が出来たんやなぁ。これからは純明(長男)が家を守っていくのを僕も見ているよ。」という言葉をかけました。一方でパートさんのお悔やみの時には、ご家族にかける言葉も見つかりませんでした。まだ学生の子どもさん2人には「お母さんは本当に素敵な接客ができる方でした。とても助けられました。本当に感謝しています。」と伝えました。そして、制服姿の彼女の遺影に、心の中で「真面目そうないいお子さん方ですね。無念でしょうがお子様たちなら大丈夫ですよ。」と念じました。
このお二人にかけた言葉を考えてみると人の人生の中で尊重できる一番の事柄は「生命を繋ぐ」という行為ではないかと私は思います。財を遺すことだと思う人もいるでしょうが、子をつくり、育て、家族が仲良く繁栄することこそ、人生の価値の基本だと思います。

さて、話は全く変わってしまいますが、ここ数ヶ月で当社の若手社員のなんと3名が「結婚します。子どもが出来ました!」と発表です。「え~早いんと違うの?生活大丈夫か?」とは思いましたが、この晩婚流行りの近年、結婚の価値さえ変わっていく中で、命の大切さを考えて、自分の人生を早い段階で子どものために尽くそうとする彼らこそ、本当にすげ~奴らだと感心しています。そして、会社は彼らや彼らの家族の生活を守る場でもあります。決意した彼らにエールを込めて、親となる責任ということを伝えたいです。

「君たちが、いずれ死にゆく時、家族が君らに感謝の気持ちを述べ、君らは自分の生き様をいい人生だったと笑えるように生きなさい」と。