師走を迎えると、街が慌ただしくなり、誰もが一年の締めくくりに向けて忙しく動き始めます。年賀状や喪中はがきの準備、大掃除や買い物に追われる中で、「あっという間の一年だったなぁ」と感じる方も多いのではないでしょうか。
今年もさまざまな出来事がありました。喜びもあれば、悲しみもあります。仏教の教えに触れると、「すべての出会いも別れも、命が繋がっている証」と気づかされています。
さて、今月は喪中はがきについてお話しします。年末が近づくと、喪中はがきが届く季節になります。「喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます」という文面は、一見そっけなく見えるかもしれません。しかし本来の喪中はがきは、悲しみの中にも「今年もお世話になりました」「どうぞお健やかにお過ごしください」という感謝と祈りを静かに込めたお知らせです。
「喪中」とは、近しい家族を亡くし、心を鎮めて過ごす期間をいいます。一般的には、故人が亡くなってから一年(忌明けまでの十二か月ほど)を目安にします。
喪中はがきを出す時期は、十一月下旬から十二月初旬が目安とされています。相手が年賀状を準備する前に届くようにするためです。
文面の要点は次の三つです。
無理に飾った言葉を添える必要はありません。故人を偲びつつ、相手への感謝の気持ちが伝われば十分です。
年賀状をすでにいただいた後に喪中を知らせる場合は、「寒中見舞い」でお返しするのが丁寧です。寒中見舞いは、松の内(関東では一月七日、関西では十五日)を過ぎてから立春の前日までに出します。「喪中につき年始のご挨拶を控えさせていただきました」などと一言添え、近況や感謝を伝えましょう。寒中見舞いは、悲しみの中でもご縁を大切にする心くばりです。
最近では、喪中はがきをメールやSNSで伝える方も増えてきました。しかし、普段なかなか連絡を取っていなかった方と再び繋がることもあります。手書きの一言が添えられたはがきには、やはり心のぬくもりが宿ります。
人とのご縁は、形を変えながらも続いていくものです。はがきを通して、そのありがたさを改めて感じる機会にもなります。
年の瀬は、一年は振り返る節目です。悲しみも喜びも受け入れながら、手を合わせる時間を大切にしたいものです。喪中の方も、そうでない方も、互いを思いやり、穏やかに新しい年を迎えられますように。