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2026/3/10 フューネラル通信 第82号【今月のおはなし】葬儀保険と死後事務委任

三月に入り、やわらかな日差しの中に、少しずつ春の気配を感じる頃となりました。三月は、別れと始まりが交差する季節です。旅立ちを見送り、新しい一歩を踏み出す人を見守るそんな場面が増えるこの時期、改めて「人生の節目」について考える方も多いのではないでしょうか。

終活という言葉が広まり「自分の最後は自分で決めたい」と考える人が増えています。その中で最近耳にするのが「葬儀保険」と「死後事務委任」です。どちらも、もしもに備える制度ですが、実は役割が違います。この二つを組み合わせることで、より大きな安心につながります。

葬儀保険は、亡くなったときに保険金が支払われる仕組みです。主な目的は、葬儀費用の準備です。家族葬であっても一定の費用はかかります。急な出費で家族が困らないように、あらかじめ資金を用意しておくのが葬儀保険です。死後事務委任は「亡くなった後の手続きを誰に任せるか」を決めておく契約です。葬儀社への連絡、ご遺体の引き取り、役所への届け出、年金や保険の手続き、公共料金の解約、住居の明け渡し、遺品整理など、実際に動く人をあらかじめ決めておきます。

つまり、【葬儀保険=お金の準備】、【死後事務委任=動いてくれる人の準備】という違いがあります。実際には、どちらか一方だけを準備しているケースも少なくありません。葬儀保険に加入していても、受取人が高齢の親族だったり、疎遠な親戚だったりすると、実際に葬儀や手続きを担ってくれるとは限りません。「お金はあるが、動く人がいない」という状況がおこります。逆に、死後事務委任で専門家に依頼しても、その資金が十分に確保されていなければ、スムーズに実行できない可能性があり、どちらか一方では不十分になることもあるのです。そこで有効なのが、葬儀保険と死後事務委任を組み合わせる方法です。死後事務委任を締結し、葬儀保険の受取人を、その受任者に指定するという設計です。こうすることで、受任者(手続きを行う人)は、必要な資金を確保したうえで、葬儀や各種手続きを進めることができます。依頼者と資金が一体となるため実務上の安心が大きくなります。特に、単身の方やお子さまがいらっしゃらないご夫婦、家族に負担をかけたくないと考える方にとっては、有効な備えといえます。

死後事務委任では、次のような内容を具体的に定める事ができます。

  • 葬儀(ご遺体の引き取り、納骨含む)
  • 特定の人への連絡
  • 公共料金や携帯電話の解約
  • 住居の明け渡し
  • 病院、介護施設の精算と明け渡し

【葬儀保険=お金の準備】、【死後事務委任=動いてくれる人の準備】を組み合せることで「想い」と「現実」の両方に備えることができます。ただし、財産の分け方は遺言で定める必要があります。あくまで「費用」と「手続き」の備えです。相続対策とは別に整理することが大切です。死後の準備というと、暗い話のように聞こえるかもしれません。しかし実際には「自分の希望がきちんと実現できる」という安心を得るための前向きな取り組みです。最期の準備は、残される人への思いやりであると同時に、自分らしく生きるための安心材料でもあります。一度、落ち着いて考えてみてはいかがでしょうか。