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株式会社オレンジライフ代表取締役社長兼CEO上野山栄作のエッセー多事想論

2011/7 オレンジ通信 第24号つながり

僕がまだ幼い頃、家のすぐ横に中学校がありました。その後、町村合併により中学校は吉備中学校と名を変え移転し現在は長尾製缶所となっています。

当時、その学校の前に文房具やお菓子などを売っていたお店があり、ここのご主人はうちの家と親交が深く、うちの祖父と馬が合い、祖父の亡くなったあとも何かにつけてよくうちに来てくれました。近所で親戚のような関係性のあるお宅でした。僕が小学校低学年の頃は学校が終ると家に帰らず、そのお店に行き、たえちゃん(娘さん)に勉強を教えてもらいました(多分ほとんど遊んでいた)。時にはご飯をごちそうになったりし、今でもその時の卵焼きの味が忘れられない思い出です。とにかく大変お世話になった記憶があります。そして月日は流れ、そのお宅は商売上の都合で引っ越し(同じ区の中ですが)あまり会うことが無くなってしまいました。
そのお宅ですが、約1年半前にご主人が亡くなられ、そして先日奥様が亡くなられました。葬儀は近所の方と親戚さん方が中心でした。葬儀が終わり火葬場から帰り、食事をとって頂いている時に少しお話をさせてもらえました。こんなときにしか会えないこと、自分が小学校のころの懐かしい思い出、亡きご主人の商売に対する考え方、亡き奥さんの優しかった思い出、自分の今の立場や考え方、たえちゃんと話をすることが出来ました。遠方へ嫁いだたえちゃんと会う機会は葬儀くらいです。

普段から「葬儀は故人が残した絆を継承する場」だから大切ですと自分自身が言っているがまさに再確認する出来事でした。
最近、身内だけの葬儀をご希望される方が多くなりました。それはゆっくりと故人とお別れする意味では良いことだと思います。しかし、身内でない方々との今回のような葬儀の付加価値(関係性の再確認)はなくなるのです。この無縁社会化が進行する世の中で人は何を求めるのでしょうか・・・
たえちゃんと最後に「こっちに来る時はうちの家に寄って母親にあってやってくださいね」と約束を交わしました。最近、僕自身は仕事にかまけて近所付き合いや旧友との関係がおろそかになっているようで気をつけなければなりません。今回のことで僕はこのお宅との関係性を保つために地元にいるお孫さんと交流をしていこうと心に決めました。それが小さい頃お世話になったご主人や奥さんに対する恩返しと自分勝手に考え・・・。